印刷現場のオペレーターは、日々、様々な印刷トラブルと向き合いながら過ごしています。

今回は、その中でも厄介な「紙粉トラブル」についてご紹介します。

 

紙粉とは?

紙粉とは、簡単に言うと紙の表面にある小さな粉末ゴミのこと。

用紙の断裁の際に切り口から発生する切りくずや、用紙表面から剥離した繊維片などが原因です。

この細かい粉が数々の印刷トラブルをもたらします。

 

●紙粉が原因で起こりうるトラブル

紙粉が印刷機のブランケット(ローラー)や版面に付着すると、付いた箇所でインキの抜けが起きてしまいます。

俗にピンホールと呼ばれる、小さな白い(白が多いんですが、用紙色の)点が発生します。

細かい繊維が印刷中に用紙から剥離し、湿し水に侵入してしまうとpH値に狂いが生じる恐れも0ではありません。

 

特に厚紙の場合、枚葉印刷(弊社はこれにあたります)用に用紙を断裁する際に紙粉が発生しやすくなります。

厚紙がよく採用される印刷物といえば、箱物(パッケージ)。

全面ベタ(濃度が100%で、網点がない印刷柄)のものだと、印刷面全体が紙粉の脅威にさらされるため非常にシビアです。

 

●紙粉トラブルを防ぐには?

残念ながら、紙粉自体を防ぐ有効な方法は限られており、どれも確実とは言えない状況です。

用紙の断裁時、刃の先端を用紙に対して垂直な面の方で断つ化粧断ちを行う、できるだけ古い刃を使わないなどが考えられますが、限界があります。

紙粉が出にくい用紙を積極的に選べば少し収まりそうですが、現実的ではありません。

 

やはり印刷現場で工夫をする必要があります。

 

印刷機に紙粉取り機を装着するといくらかは効果がありますが、紙粉の出やすい用紙だと耐えられません。

ブランケットの自動洗浄だけでは限界があるので、紙粉の付着が確認できたらすぐにストップ&洗浄。

オペレーターの目視が物をいう、丁寧さが求められる工程です。

複数人による印刷物の検品も、不良品を納めないためには有効です。

 

また、実際に印刷をする前に対処する方法もあります。

別途費用は発生しますが、インキを使わずに用紙だけを印刷機に通す、いわゆる空(から)通しをして紙粉を取り除くのも1つの手です(何もしないよりは良くなります)。

開封した際に、すでに紙粉が多い状態の用紙の場合、納期さえ問題なければ用紙仕入先に交換や紙粉取りを相談することもあります。

印刷発注の時点で、お得意先様に二度刷り(同じ柄を2回印刷)などを提案させて頂いた例もあります。

 

上記のようにして印刷で紙粉を防げたとしても、その印刷物の断裁や後加工(P.P.貼りやトムソン加工)でも紙粉トラブルは付きまといます。

 

印刷物をつくる以上、根本的には防ぎようがない紙粉トラブル。

 

最終的には、担当者やオペレーターによる丁寧な作業がもっとも重要になります。

もちろん、工場内をキレイに保つことを常に心がけたいのは、言うまでもありません。