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先日、写真家(フォトアーティスト)の野口 英一様より、写真印刷のお仕事をご依頼頂きました。

今回で2度目のお仕事で、初回は2014年の夏頃でした。

 

野口様は、一般企業に23年間お勤めされた後に独学でカメラを習得され、 現在はプロの写真家として多方面でご活躍されている方です。
詳しくは、野口 英一様のホームページ、またはFacebookをご参照ください。

弊社を選んだ決め手は、ホームページから「職人のこだわり」を感じられたから、とのことでした。
非常に光栄なお言葉を頂戴し、誠にありがとうございます。


お仕事内容は、「はがき16〜32種ほどを100部ずつ、極力画像データに近づけて仕上げて欲しい」というものです。

また、初回のご注文時は、複数の用紙を使用してその仕上がりの違いを見たいとのことで、写真によって使う用紙を変えて印刷いたしました。(厳密には、ちょうど全16種で16丁面付しての印刷でしたので、全種類の画像を3種の用紙で印刷しお届けいたしました。)

 

さて、写真などの画像データはRGBの3色で表現されており、一方印刷物はCMYKの4色で表現されています。
CMYKはRGBよりも色域が狭くなる分、鮮やかな色が再現しきれず、画像で見るよりもどうしてもくすんだ感じに仕上がってしまいます。

 

これを解決するには、小サイズ・少部数であればインクジェットプリンターがおすすめです。
カラーインクジェットプリンターは、もともと写真の色表現を出すことを目的に作り出されたものです。
RGBデータを発色よく出力できるように内部で調整(キャリブレーション)がされており、 インク自体も鮮やかな色再現を第一に開発されたものが使われています。
ミラーコート系の写真専用紙を使えば、あっという間にキレイな写真印刷物が完成します。


難点は、大サイズに対応できないこと(最大でもA3までが限度)と、大量生産には向いていないことです。

 

今回は少部数ではなかったので、オフセット印刷になりますが、通常のCMYKでは色がくすみ、良い仕上がりは期待できません。

そこで、次の2点を工夫し、RGBデータの印刷再現性を高めました。

 

■カレイド印刷による色再現

東洋インキ株式会社が提供する「カレイドインキ」を使った印刷です。

カレイドインキの使用は認証制で、東洋インキの設定する印刷品質を満たす印刷会社でなければ使用が認められないインキです。

弊社はKaleido色再現基準に準拠しておりますので、安心してご利用いただけます。

カレイドインキを使ったカレイド印刷であれば、従来の印刷では不可能なAdobe RGB並みの色彩領域を再現できます。

 

もう1点は、空のグラデーションや紅葉・建物の細部までディテールを損なわぬよう配慮しました。

 

■高精細印刷・フェアドットの採用による階調再現

印刷の網点を細かくすることで、より細部まで忠実に再現できるようになります。

弊社では、通常印刷の175線に対して、280線・350線といった高精細印刷に対応しております。

また、フェアドットという特殊な網点を使い、AMスクリーン・FMスクリーンの長所を共存させ、印刷モアレの起きないなめらかな階調表現が可能となっております。

 

野口様の写真印刷には「カレイド印刷+高精細印刷」を用いて、高品質な仕上がりを目指しました。

初回のご注文時には、ハイマッキンレーマットポスト・エスプリAP・ヴァンヌーボーVスノーホワイトの3種の用紙を採用し、 より上質な仕上がりを目指しました。

 

rgbprint

野口様のようにうまく撮影できず、違いが殆ど分かりませんが…

 

ちなみに、少部数の際には弊社大判プリンターでご対応いたします。

このプリンターは印刷業者向けのもので、通常の4色インクではなく、フォトブラック・マットブラック・グレー・ライトグレー・シアン・ライトシアン・ビビッドマゼンタ・ビビッドライトマゼンタ・イエロー・オレンジ・グリーンの10色インキを使用しており、より広い色域を再現できます。

印刷現場とのカラーマッチングも設定済みで、カレイド印刷のシミュレーションも可能となっております。

通常のポスター等のご注文以外に、簡易色校正としてのご利用も可能となっております。

 

野口様の写真には、見るものをひきつけるチカラがあります。

1枚の静止画が、小説や映画のように人々の記憶や感情に語りかけてきます。

 

そうした写真の持つチカラが印刷で失われぬよう細心の注意を払いお仕事をさせて頂きました。

こうして出来上がった写真印刷物は、野口様自慢の作品として世に送り出されています。

写真家として、表現者としてのお仕事のますますのご発展をお祈りいたします。